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絶交チョコミント
【青春 恋愛小説】

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涙目テディベア-8

「にひひ。二人もゲット!私の幸運の賜物ねー」
「はいはい、良かったな」
「うふふふふ……」

ホントに嬉しそうに笑っている。ま、それでこそ手伝ったかいもあったというだ。

「あ、そうだ。吾妻ー」
「ん?何だ……って」

振り返ると、水澄がこちらに何かを差し出して……って、さっきの茶色のテディベアじゃないか。

「これ、吾妻にあげる」
「へ?……いいのかよ」
「いいも何も、手伝ってくれたお礼よ。私にはこの子がいるしねー」

そう言って、薄緑色のテディベアをぶら下げる。

「あ、よく見たらこのテディベアも二人合わせてチョコミント色ね」
「あぁ、ホントだ。緑と茶色だしな」
「なんかさ、よくよくチョコミントに縁があるわね」
「まったくだ」

▼▼

「あーあ。また明日も学校かぁ」
「しかたねーだろ。文化祭の振り替え休日だったんだし、他の学校は今日も授業だよ」
「そりゃそっか。それじゃ、また明日ね」
「おーぅ。気をつけて帰れよー」

夕方になり、それぞれ家路につく。


帰り道、水澄 小羽は思う。
鞄に付けた、薄緑色のテディベアを見つめながら。


(うーん、単なるアイスの罪滅ぼしをしてもらうつもりだったんだけど……)


帰り道、吾妻 創史は思う。
上着のポケットに入れた、茶色いテディベアを触りながら。


(さてさて、なんか終始振り回された感じになっちまったけど、まぁ、その、なんだ……)


別々の道を歩きながら、
――二人、同じ事を。


((結構、楽しかったかも))


涙目テディベア 完


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