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絶交チョコミント
【青春 恋愛小説】

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涙目テディベア-3

「……何よ吾妻、何でそんな変な顔してんの?」
「え?……あぁ、いや。なんか意外だったから」
「悪かったわね。遊びに行く程仲が良い男子なんていなかったのよ」
「ふーん。……ってことはよ、俺がその記念すべき第一号なワケだ」

どこと無く嬉しそうに、そんな事を言う吾妻。

……なぜだか、意味もなく照れ臭くなってきた。

「ま、そういう事になるけど。……私の初めてを奪ったんだから、光栄に思わないと」
「おいコラ。いかがわしい誤解しか招かない言い方は止めろっての」
「いやいや、何でもすぐにエロい事に結び付けるやつの思考回路がエロいのよ」
「街中でエロエロ連呼すんじゃねぇよ……」


――そんな風に、『いつも通り』に軽口を叩きつつ。

いつもと少し違う休日を、歩いていく。

▼▼

「……あれ?あんな店あったっけ?」

歩き始めて約5分。

しゃべりながら適当にぶらついていたら、アーケードの反対側まで来ていた。

「ん?どれよ」
「あれあれ。あそこのなんか賑やかな店」
「あー、この前オープンしたゲーセンだな。俺も行った事無いわ」

なるほど、確かに見た感じ新しそうな外装だ。

「吾妻はゲーセンとかよく行くの?」
「たまにな。ま、主に格ゲーしかやらねーけど。水澄は行くの?」
「私もたまに。皆でプリクラ撮るくらいかなぁ……」

女子だけで出掛けると、何回かに一回は必ずプリクラ撮るし。

「プリクラねぇ……。俺はちょい苦手だな、そういうの」
「苦手とかあるの、アレ?」
「改めて撮るってなると、どんな顔して写ればいいか分かんねぇ」
「笑えばいいじゃん。そういや吾妻、クラスの集合写真も仏頂面だったよね」
「や、クラス写真は笑って写るモンじゃないし。っつーか笑顔だったの水澄も含めて何人かだったろうが」

……おや。
わざわざ覚えてたのか。
ちょっとビックリ。

「写真は楽しそうに写るのが正しいのよ。思い出はいつも美しく!」
「……まさかとは思うけど水澄、お前生徒証の写真も笑って……」
「うん。当たり前じゃん!」
「俺には真似できん……」

そう言って呆れ顔。
失礼な。我ながら結構よく撮れてると思うのだが。

「で、入るのか?ゲーセン」
「時間は?」
「まだ2時前」
「行こ!せっかくだし。興味あるし」
「だな」

店内は、平日ってこともあって客はほとんどいなかった。


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