若者よ、大志を抱け-2
『ひかるー、あんたどこ行くのー?』
「本屋で参考書買ってくるー。」
まぁ、一応学生なんでね。
怪しまれずに本屋に行くことができるわけですよ。
〜自転車をこぐこと30分〜
皆さまっ!
やっと到着しました。
本屋ですっ!
いよいよですね。
新時代が始まるわけですよ!
よしっ!
客はおっさんとおばちゃんの2人。
レジはハゲたおっさんだ。
いける、いけるぞ光!
何気ない風を装ってアダルトコーナーに近づく。
目の端で表紙を捕らえる。
よし、あれにしよう!
瞬時の判断により、胸のやたらデカいお姉さんが表紙の一冊をセレクトした。
笑顔がいいね。
目線を下に向けたままレジに向かう。
『1575円になります。』
聞こえてきたのはおっさんの声ではない、若い綺麗な声。
一気に冷や汗が流れる。
目線を上げれば胸に【近藤】の名札。
反射的に顔を上げてしまった。
時すでに遅し。