誤解が生んだあいでんちちぃー-1
『おい狸よ。』
「なんだい狐君?」
『我々は昔から人間を化かすことで知られてきた。』
「そうだねー。いっぱいイタズラしてきたねー。」
『しかし、私は狐と狸がひとくくりにされるのは望まない。』
「狐君と僕ら狸にもあいでんちちぃーがあるよね。」
『それを言うならアイデンティティだ。まぁそんなことはいい。そこでだ。今回、狐狸の大ばかしあい大会を決行したいと思う。』
「いいね。楽しそう。」
『どちらが優秀なばかしあいをできるか競うのだ。」
『わかったよー。』
「それでは大会を開催する。」
そして人間界では・・・
大量の偽札が出回ったり、幻覚を見る人が多発したりとする一方で、どうどうと民家に出入りしたり、わざと罠にかかる狸が増えた。
これぞ、狐と狸の化か【馬鹿】しあいである。