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初恋のハジメ方
【初恋 恋愛小説】

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初恋のハジメ方 act.4-4

「ウソウソごめんね。謝るから連れてって!初見学園の文化祭一回でいいから行きたかったの!!」

先ほどの攻めの態度から一変して柚子の掴みながら謝り倒す彼女の様子に柚子は予想通りだと心の中で喜んだ。そして大事な詰めに入るためにくるりと振り向き梓に向かい合った。

「じゃあ連れて行ってあげてもいいけど、1つ条件があるの。」

そう言いながら柚子は彼女の前にスッと指を突き出した。

「これから絶対私たちのことについてなにも聞かないって誓うならチケットあげてもいいよ?」

ニコッと笑いながら柚子が言うと、対象的に梓の表情は悔しそうなモノになる。そしてしばらく見つめ合った後、梓のほうが諦めた様に笑った。

「わかったわよ柚子。アタシはもう何も言わない。 けどこれだけは言わせて。あなた、彼と出会ってから少しずつだけどいい風に変わってきてるわ。だから彼との関係を大事にしなさいね!」

そういって彼女は優しげな表情で柚子の頭をポンポンと優しく叩きながら語りかけた。そんな彼女の言葉に感極まって柚子は彼女に抱きついた。

「ありがとう!梓ちゃん大好きだよ!」

そういって柚子が抱きつくも彼女が小柄なため、よしよしとあやすように梓が抱きしめ返すと彼女が柚子に覆いかぶさる形になった。

そして2人は忘れているだろうが、ここは大学構内のカフェで多くの学生で賑わっている。よって先ほどからの2人のやり取りは嫌でも注目を集めてしまっていた。
それに遅まきながらも2人がたった今気づいた。

「「あっ……!」」

そう2人の声が重なった次の瞬間、2人は逃げるようにカフェから出て行った。

「文化祭楽しみだね、梓ちゃん!」

「そうね!」

そう言い合いながら出て行く2人の表情は先ほどのこともあり恥ずかしそうではあるがとても楽しげなものだった。

    ……To be continued.


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