僕らの日々は。〜東の海の眠れない俺ら〜-2
「海、海!あぁ、何故お前らにはこのワクワクが伝わらないんだ!」
「って言われてもなぁ……」
「なぁ沖春、行こうぜ海!うーみー!」
「あー………」
なんとかいい切り抜け方はないかと僕が模索していた、その時だった。
「え、何?春風、海行くの?」
「うん?……あ、一葉。それに二人も」
やって来たのは一葉と真白さんと満月さんだった。
「そうだ夢逢!お前は行くよな、海!」
「えっ?海?」
狭が満月さんに声をかけた。ちなみに、満月さんは狭の彼女である。
「そうだ、海だ!行くよな?だって海だし!何たって海だし!」
「え?あ……う、うん。何たって海…だし」
押し切られるままに参加、一名表明。
それを見た一葉が羨ましそうに、
「夢逢も行くんだ?私も行きたいなぁ、海…」
「何人でもOKだぜ!」
「え?いいの?二人のお出かけなのにお邪魔しちゃって」
「問題無いぞ。二人で出かけるのは別の日にちゃんと組んであるし」
「なるほど」
こうあっさりノロけられると、苦笑するしかない。
「それじゃ私も行くわ。それで、いつ行くの?」
「明日から、一泊二日の泊まりがけの予定だ」
「お泊りかぁ。なら今日色々準備しないとね……楽しみね、春風!」
「え、あの…一葉?僕は…」
まだ行くと決まったワケじゃ……と言いかけて、
一葉の目が狭と同じくらいキラキラしてるのが目に入り、
「……うん、そうだね。楽しみだ………」
折れた。
我ながらどうかと思う精神力の弱さである。
というワケで二名追加。
「何、一葉も夢逢も行くの?……ならあたしも行こっかな」
「もっちろん!灯もおいでよ!皆で行きましょ!」
「おう、人数は多いほうが楽しいぞ!真白も参加するといい」
「じゃあ私も行くわ。……あぁ、それと」
真白さんはちらりと安良を見て、
「安良。あんたも行くのよね、当然?」
「行かねーよ。ダルいし」
「私が行くんだから来るのは当然でしょうが」
「何でだよ。理由は」
「荷物持ち」
「誰が行くか!」
「あら、勘違いしちゃダメよ。私の荷物じゃなくて、持つのは女子皆の荷物」
「ちゃっかりテメェも入ってんじゃねぇか!!」
安良もキレた。
……いや、まぁ当然か。