SHOCK-7
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飲み始めてだいぶたった。もはやイヴじゃなくなりそうな時間帯じゃん。
ふとジンの横にある白いマフラーが目についた。
「これ誰のマフラー?」
俺はびろんと伸びるマフラーを掲げた。
何か年期入ってるっつうか不恰好なマフラーだな。
「これ俺のマフラー!」
晴生は俺の手からマフラーをもぎ取った。
「それ、千恵の手作りのマフラーじゃねぇ!?」
彰文がマフラーを指差す。
晴生の元カノ千恵…。いや、まさか。別れて一年経ってんだぞ?今さらまだ千恵の手作りマフラー持ってるだなんて…。
「そうだけど?」
ぇぇええー――――っ!!
「ギャハハハやっぱり!」
彰文は手を叩いて笑った。
「うぜーっ!お前うぜーっ!」
ジンもゲラゲラ笑っている。
「いいじゃん!そこにあったんだからいいじゃん!」
もはやそこにある時点でうぜえんだよ。
手作りマフラーも重いと思うけどそれ以上に重たい。
「仕方ねぇな、これは俺が貰ってやるよ」
「やめろ!俺のメモリー汚すんじゃねぇ!」
俺は晴生の手からメモリーをもぎ取った。
「お前のメモリーこうしてやる!」
俺はメモリーを自分の頭にぐるっぐるに巻き付けた。
「ビンラ●ィン!」
「やめてぇぇぇぇぇ!!」
晴生の断末魔がこだまする。
「アッハハハ!ハハッ、はぁ。あー麻雀してぇ」
おい、彰文。今の流れどうねじ曲げて麻雀出て来た?
「おっいいねぇ。大地んち行こうぜ」
まじ?
「あっ、俺こないだ負けたから勝たねぇと!」
メモリーはもういいのかよ!麻雀に負けるなんてどんだけ儚いメモリーなんだよ。
「まぁいいか。今日親いねぇし。家で二次会すっか!」
俺たちはほろ酔い状態で店を出た。もちろんビン●ディンのまま。