SHOCK-5
★★★★★
「ギャッハハハ!あいつまじで行きやがった!」
「何でこういう時だけ時間通りなんだよ、あいつ!」
俺と彰文はしばらく晴生のことで笑っていた。「あっ」と彰文が言うまで。
「何だよ?」
「ちょっとお前付き合え!」
「どこに?」
「DVD返却」
「逆方向じゃねぇかよ」
居酒屋と俺んちとレンタルショップは同じ通りににある。が、俺んちから居酒屋とレンタルショップは同じくらい離れていて、レンタルショップから居酒屋までは結構な距離がある。
「わりぃ、今日返却日なんだよ。ちゃんと持っては来てるから」
「早く言えよ」
「じゃあもう今から行くぞ!」
「うす」
部屋を出るときにちらっと時計を見ると25分になったところだった。
☆☆☆☆☆
ドアから出てきたのは深雪だった。
「部屋から見えたよ。今日丁度兄貴たち飲み会らしくてさっき出掛けたから思いっきり騒げるよ!」
そう言って深雪はニッと笑った。
琴乃はふ〜んと流したけれどあたしは内心ほっとしていた。
深雪には歳の離れた兄貴がいるらしい。
あたしは友達んちに来ると家の人に気ぃ使うもんで、いないというのは本当に気楽だった。
「まぁ入って」
「おっ邪魔しまーす!」
あたしたちの楽しい楽しいクリスマスパーティーが幕を開けた!!
★★★★★
いつもの店でいつもの四人がイヴを過ごす…。
「こいつ一時間も一人で待ってやがんの!」
「待ってる間に出来上がってやんの!」
「うるせー!!大体一時間早く教えてんじゃねぇよボケ!」
「いや妥当だろ」
そう言ってジンはくぴっとウィスキーをあおった。
「おっ!?そーゆーことゆっちゃうワケ!?フォローしろや!」
バシッと晴生がジンの肩を叩く。
「うるせー触んな、ボケ!」
「ぅおい!それは言っちゃあいけねぇぜ♪」
「………」
「何か言えやコラー!!完全にスベッたろがー!!」
いつもの店でいつもの四人がイヴを過ごす…。
もはや毎年の恒例行事だな。楽しいからいいけど。