SHOCK-3
「これ、キタ…」
琴乃がキラキラした笑顔で振り向いた。その手には
「それシャンメリーじゃん!」
キャラクターがプリントされたシャンメリー!
うわ〜懐かしい。小さい頃、親がシャンパン飲んでるなかであたしはシャンメリー飲んでたな。格好付けてワイングラスで。
あたしたちはシャンメリーを四本、即かごに入れた。
また店内をブラ付く。
そしてあたしは見つけた!それに向かってあたしは一心不乱に走る。
「これもちろん買いでしょ!?」
あたしは少し興奮気味にそれを琴乃に見せた。
「うっわートリ!これぞクリスマスの醍醐味!」
そうトリ!トリの丸焼き!正式名称は結局二人とも思い出せなかった。
う〜ん、この辺まで出てんだけどね…。
その後もあたしたちは手作りケーキセットとかジュースとかお菓子とかクラッカーとかパーティーっぽいものを次々と買い漁った。
お会計を済ませた頃にはもう6時を過ぎていた。
★★★★★
時刻は6時を少し過ぎたところだ。
彰文の漫画は二巻目に突入していた。
「あいつ今日も遅刻してくんのかなぁ」
やっぱり漫画から目は離さずに彰文が言った。
「晴生か?」
「あぁ」
晴生は時間にルーズな奴で一時間の遅刻なんてのはザラにあった。ので
「一時間早く教えてやった」
「あ!?」
やっと彰文は漫画本を閉じた。
「まじで!?」
「まじ」
俺は髪を整えながらにやっと笑って彰文を見た。
「アッハッハッハ!あいつ今頃焦ってんじゃねーの?」
「いや、俺らが行く頃丁度いいだろ」
その時、俺のケータイが鳴った。相手は晴生だった。
「晴生だ」
「まじか!?」
「出てみろよ」
「おう…おーもしもし?」
☆☆☆☆☆
「深雪んち覚えてる?」
「たぶん大丈夫」
あたしたちはビニール袋を一つずつ持って、あまり馴染みの無い道を歩いていた。
あたしと琴乃は同じ学区。そして深雪と莉緒は隣の中学の学区だ。
だからなのかあたしも琴乃も深雪の家は何回か行ってるにも関わらず、なかなか覚えられない。結局のとこ二人ともただの方向音痴なだけ。アウェイの道は滅法弱い。