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純白の丘
【初恋 恋愛小説】

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純白の丘-4

朝。
いつもより増してすずめのさえずり声が大きく聞こえる。
まだ起きる時間ではなくベットで天井を見上げている。
気が付くと明日香の事しか考えられなかった。それが俺の悩みとなっていく。
手術が成功しない恐怖感。
顔見ても気付かれない恐怖感。
分かっても嫌われる恐怖感。
そしてフラレる恐怖感。
いっその事言わなければいいんだ。好きだなんて。
そんな恐怖だらけでも言わなくてはならない。
言わなくては始まらない。
言わなければ分からない。
支えてくれる人がいる。そして何より俺はそばにいたい。
そう自分を元気づけベットを跳ね起き服を着る。
昨日行った道のりを今日も進む。ほんとは後1日ぐらい考える時間がほしかったのかもしれない。
今の俺にはそれぐらい移動時間が早く感じた。
病院に入りそのまま病室に向かう。
わざとエレベーターを使わず階段で上がる。
病室の前でひと呼吸すると勢いよくドアをあけた。
見ると明日香は同じクラスの女の子と話をしている。
周りには、家族、同級生、中学時代の友達、そして見慣れない男子もいた。
俺に気づいたのか明日香はドアの辺りを見てきた。
気持ちを落ち着かせようと何気ない挨拶をした。
「おはよ。どう調子は。」
「優斗君?おはよう。調子は少し緊張してるかな。」
いつも通りの笑顔を見せてくれた。気持ちが落ち着き隣に行き話かける。
「そうか。頑張れよ。」
「うん、怖いけどね。頑張るよ。」
その時だった。
後ろにいた見知らぬ男子が顔をつっこんだと同時に冗談ぽく明日香に話しかける。
「大丈夫。俺がついててやるから。安心しろ」
こいつ。明日香に気があるのか?
「和也君。ありがと。心強いよ。」
明日香もまんざらでもない様子だ。
自分の感情を爪がめりこむぐらい握り締めた手のようにグッと押し込めた。
おいうちをかけるかのように明日香は簡易テーブルから何かを取り出し俺に話しかけてきた。


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