「無限ループ」-1
「先生、どうしましょう。昨日の調査の結果ではわが国の人口のほぼ半分が、この正体不明の病気にかかっています。」
『あぁ、困ったことだ。ささいな事が一大事に思えてくる病気なんて…。早く治療薬を開発しないとこの国は滅びてしまうだろう。』
「町中では、ゴミが落ちているだけで人々は環境破壊を嘆き、また相手を不快な気分にさせていないかと人々は最善の注意を払っています。」
『争いが起こるよりはいいかもしれないが、なんとかしないと地球は滅亡だ!』
嘆く2人は知らないのです。
その病気にかかっているのが自分達だけであることを…。
人々はいつも通りに暮らしているだけなのに、彼らの目には一大事として映っていることを。
まさかそんなことを思う私も…