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過ぎ去りし夜に揺れる華
【初恋 恋愛小説】

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過ぎ去りし夜に揺れる華-1

とある日の午後。
私に一通の白い封筒が届いた。
裏面を見ると今でも幼馴染みである健二からの手紙だった。
いつもはメールとか電話とかで用を済ますのに
手紙なんて、変なの。
私はそう呟いたが、表情と反比例して
鼓動が高鳴る。
密かに思いを寄せ、
いつもさりげなくアプローチしていた。
高鳴る胸を撫でながらそっと封を切った。
桜へ
いきなりの手紙びっくりした?ごめんね。
メールとか電話とかでは言えない事なんだ。桜にどうしても言いたい事がある。
22日の午後五時に、駅前の喫茶店にきてくれるか?
よろしく。
by健二
もうっ、相変わらず身勝手だなっ。
私は笑いながら手紙に話しかけた。
22日ね、って今日じゃない!
よく見ると切手は貼られてなく健二本人が
自分で私のポストに入れたものだ。
まだ時間は一時半。
幸いまだまだ時間がある。
私は自室に戻りタンスをあけ、服を選び出す。
まるで初デートのような少女のように。
あっこのスカート。
健二がいいって言ってくれたんだっけ。
よし、これで決まりっ!
その後もシャワーを浴びたり化粧をしたりバタバタするうちに時間は近づき、駅前の喫茶店に向かう事にした。
まだ十分間に合うのに、次第に早足になっていく。
到着したのは、待ち合わせの二十分前。
扉をあけ、見回してみる。
角の席から手招きするのが見えた。
行くと、健二は照れ臭そうに座っていた。
私は鼓動の高鳴りを隠すようにして健二に話しかける。
どうしたの??一週間ぶりだね。
健二は笑みを浮かべながら煙草に火をつけ、答える。
悪いな。わざわざ。
やはり何かぎこちない。
黙る事5分。
健二は火を消しゆっくりぼそぼそ話し始めた。
やっぱ、メールで言った方が良かったかな。あっでも、やっぱちゃんと言わないとな。
あのな、桜。
今まで幼馴染みだっただろ?だから隠し事もせず一緒にいてくれたよな?
私は本当に健二に心音が聞こえるんじゃないかと思うぐらい、ドキドキしていた。
が、平静を装い答える。
うん、何よ。改まって。ドーンと言っちゃいなよ。
健二はまだ何かひっかかるようでぼそぼそ話す。
うん、でもな。
私はそっと健二の顔に近づき、
私を信じて話して。
絶対いい結果になるから。
健二は私の頭をなで微笑みながら口を開いた。
そうだよな。ありがと。実は、付き合って・・・・。
もう内心今までにないぐらいの鼓動に変わる。それが喜びに変わっていく。
この一瞬で、何百ものの事を考えた。
健二が私の顔をすり抜けるかのように見つめている。
どうしたの?健二??私もそう・・・・・。
本音を打ち明けようとした時健二は座席をいっこずれ喋りだす。


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