保健室のヒマワリ-1
あなたに会いたくて保健室に通った
いつもなら滲みる消毒液も
あなたの香りで
甘い痛みに変わる。
あなたの笑った顔はヒマワリみたいに元気で
−−−−−僕は
あなたの笑顔を照らす
太陽になりたかったんだ
あれは高校2年の夏休みの少し前。
サッカー部の俺は、毎日擦り傷が絶えず、たまたまマネージャーが居ない日に保健室に行ったのが始まりだった。
「いってぇ〜ッ!!!」
放課後の校庭。ボールを奪いに行って俺は派手に転んだ。
「結構擦りむいたなぁ。今日マネージャー居ねぇから、保健室行って来いよ」
足からはどんどん血が滲んで来た。
キャプテンに保健室に行くよう言われ、擦りむいた足を引きずって保健室に向かった。
校庭から保健室は遠く、校舎の中でも1階の端にあったから俺はほとんど行った事が無かった。
エアコンがきいているのか、保健室の前に着くとひんやりとした風を感じる。
保健室の先生って誰だっけ…?
そんな事を考えながらドアを開いた。
「ちぃーっす。サッカー部の高木ですげど〜…」
「…………ぇと…」
中に入ると消毒液のアルコールの香りがした。
保健室の奥の机には、長い髪をクリップで留めた白衣を着た女の人が、伏せて寝ている姿が目に入った。
窓から差し込む陽射しが少しだけ見える顔を照らしている。
“ドキ……”
キレイな寝顔に、なぜか緊張してしまった。
「あ……、あの。先生」
緊張で何を言えばいいのかわからない。
どうしようか悩んで居た時