保健室のヒマワリ-11
ふと、中庭のヒマワリが目に入った。
7月あんなにキレイに咲き誇っていたヒマワリは、花の役目を終え、虚しく下を向いて枯れてしまっていた。
『……ッ』
急に悲しくなって、保健室のベッドに顔を埋め、声を殺して泣いた。
想いを吐き出すように、涙が溢れ出る。
カッコ悪い行き場を無くした想いが、涙になって流れ出れば良い。
いつか忘れられる。
想いが糧になり、
そうしたら前に進める。
散々泣いた俺は、泣き終えるとすっきりした気持ちだった。
静かに立ち上がり、ゆっくりと保健室のドアへと進む。
『ありがとう』
俺は別れの言葉ではなく、感謝の気持ちを口にした。
そして、ドアを閉める。
保健室に背を向け歩き出す。
−−−−自分の未来のために。