ストーカーなはずがない-2
───夜もどっぷりと更けた頃、姉は帰ってきた。
「姉ちゃんおかえり」
「うん、ただいま」
姉はどことなく嬉しそうだ。
「どうだった?」
「楽しかったよ。ホラ」
そう言って俺に携帯で撮った写真を見せる。
しかし、そのうちの1枚に俺は目を見開いた。
「…姉ちゃん、この人」
「あぁ、彼女がこないだ言っていた友達。こんなに可愛いのに、マサトが好きだからって彼氏つくらないんだって」
姉は笑っているが、俺は笑えなかった。
姉と2人で写っている写真。
楽しそうな笑顔を浮かべる彼女は、同じクラスの相原優里。
俺の、好きな人。