夏の終わりに@-2
「あっ!…う…ふぅ…」
痺れるような気持ち良さが身体を駆け抜ける。
いつの間にか指は前後に動いて、さらなる刺激を与えていた。
「…ハアッ!ハアッ!ハアッ!」
腰から頭へと何度も快感が走る。無意識に指の動きが速くなる。
「…ああっ!!」
あまりの快感に思わず声が出たと同時に、私のモノから白濁した液体が飛び散った。
私は情事に欲情し、初めての自慰で射精した。
雨音はいつの間にか止んでいた。
『夏の終わりに』
「ただいま…」
黄昏時の陽を浴びて、私は自宅に帰りついた。
「おかえり。遅かったわね」
キッチンにいた母がパタパタと現れる。私は視線を合わせずに玄関を上がった。
「…ちょっと夕立がひどかったから学校で雨宿りしてたんだ」
「ホント。濡れてるじゃない」
母の手が私の肩を触れようとした。
「触らないで!」
何故、そんな事を言ってしまったのだろう。母はひどく驚いた表情を私に向けていた。
「…シャワー浴びてくるから」
母をその場に残したまま、私はバスルームへ向かった。
いや、正確には逃げたのだ。
母を見た瞬間、私は先ほどの情事を思い出した。
自分の存在イコール母と父も同様の事をしたのかという事実が、私に嫌悪感を抱かせた。
「…あぁ…また…」
しかし、私のペ〇スは、意思に反して再び硬く勃っていた。
コックを開き水の弾ける音でごまかしながら、私は石鹸のヌメリの付いた掌でペ〇スを激しくシゴいた。
「…ぐっ…ああっ!」
部室でのより、さらに強い痺れと快感が下腹部に走り、勢いよく精液が弾けた。
(…オレ…変になっちゃたのかな?)
情事への嫌悪感を抱きながら、それを思い出して自慰している自分の存在が嫌になった。