Summer Day-4
「もしもし?何だよ」
『まだコンビニ着かないんスかー?』
「コンビニなら着いたわ」
『じゃあ早く買ってきて下さいよー。先生は涼しいかもしんないスけど、俺は暑いんですよー』
クーラーが先週壊れてしまったため、俺の家はかなり暑い。
そのせいか、総太の声はバテていた。
「あぁ?うっせぇなあ。うちわでも扇いでろ」
『うちわなんかどこにあるんですかー』
ぶつぶつ文句を言っていた総太だが、しばらく黙りこんでから、イタズラを思いついたかのように楽しげな声でこう言った。
『先生、ついでに幸先輩も連れてきて下さいよ』
「えっ?」
こいつ、超能力でもあるのか?
思わずサチの方に視線をうつす。サチはきょとんとした顔でこちらを見ていた。
「いや、あいつだって忙しいだろうし…」
『大丈夫ですよ、どうせ暑くて先輩もバテてますって。それに、みんなで勉強した方が楽しいじゃないですか』
何とか考えを改めさせようとするが、結局無駄に終わった。
それに、目の前に本人がいるのに連れて行かないのは、総太に悪い気がした。
「…分かったよ、連れてくればいいんだろ。ハイハイ」
電話を切ってサチに尋ねる。
「お前、ヒマ?」
実は忙しいんだろ?
そう心の中で祈る。
「まぁ、ヒマだといえばヒマだけど」
おいおい、マズいんじゃないか、俺。
「…今から俺んち来ない?」
頼む、断ってくれ!