天然不良ジャンキー-1
君は小さく笑いました。
『待ってるから。』
確かにそう言ったよ。
――――
―――――――
慌ただしく駆け上がった先は、屋上の扉だった。
その扉を強引に開けて
私はポロリと涙を流した。
「ばっ…ばかやろ」
大声で叫ぶのがドラマ的なのに、出来ずにいる私は
正真正銘の“小心者”。
誰かに聞かれたら
恥ずかしいもん…。
って、こんな時まで
人の目を気にする私…。
“お前といてもつまんねーだもん”
先ほど言われた言葉を
思い出して、涙がまた溢れる。
もう…いいや。
「ばかやろーっ!!!!」
腹の底から叫んでやった。
『うるせぇ!!』
「ぎゃっ!!」
やややややっぱり
誰かに聞かれたぁぁ!
後ろから、起き上がり
私に近づく男…
『うるさい』
「すいましぇ…」
…噛むなよ、自分…。