投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

刹那い心
【OL/お姉さん 官能小説】

刹那い心の最初へ 刹那い心 2 刹那い心 4 刹那い心の最後へ

刹那い心-3

「お願いぃ許してぇぇぇ……逝くっ……逝っちゃうぅぅぅぅぅ」
「おもちゃで行くのかい? 由布。逝ってごらん。僕にいやらしい顔をさらして逝くんだ!」

 私は許しを請うように声をあげ、彼にしがみつくような形でまた絶頂を迎えた。
 その様を彼は嬉しそうに見つめて笑った。

 絶頂に達し、すべての力が抜けてしまった私は、腕も足も床にだらりと落としうつろに見上げた。
 不意に体を起こされ、柔らかく抱きしめられた。うっすらと浮かんだ涙でぼやけた視界の向こうには、間違いなく梶田の姿があった。

「由布、またいやらしくなったんじゃないか? 僕に会えなくてそんなに寂しかったのかい?」
「幸也ぁ……」

 さっきの意地悪な表情とは違ういつものやさしい顔に、私は漸く安心した。
 社長の代理とはいえ海外出張で1か月も顔を見なかったのだ。毎日職場で会い、週末ごとに濃厚な時間を過ごしてきた身にとって、1か月も放置されるのは何にも耐えがたいつらさだった。

「悪かったな、連絡もできなくて」

 そう言って抱きしめてくれる。それだけで自分が“愛されている”と実感できた。
 たとえ許されない関係だとしても、心が満たされる。

「いいんです……こうして顔が見られればそれで」
「……じゃあ、埋め合わせをしなくちゃいけないね」

 今夜、残業できる?

 それが何を意味するか、すぐに察した私は無言で頷く。
 身体の奥から熱い何かが湧き上がるのを、感じていた。


刹那い心の最初へ 刹那い心 2 刹那い心 4 刹那い心の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前