笹沢瀬里奈の悩み 〜Love trouble〜-1
今日も朝から元気良く、理性のキレた龍之介が美弥に襲いかかっていた。
「んぁ、ん……は、んん!ん、ふ……!あ、はあぁんっ!」
いつもは絶対にしない獣じみた体位で貫かれた美弥は、龍之介が腰を打ち付ける度になまめかしい声を発している。
「はン、あっ、くうぅ……!あ、んはぁん……!」
結合部からは愛液が滴り落ち、周辺ををじっとりと濡らしていた。
「あつ、い……!りゅう、熱いぃ……!」
うわごとのように、美弥は呟く。
「き、もち……い、い……!」
獣化バージョン龍之介は、ニヤリと笑って囁いた。
「生だと美弥のとろとろになった……が、すっごく絡み付いて来る。気持ちいいよ」
三文字ないし四文字の卑猥な言葉に、美弥はぷるぷる首を振る。
「やっ……!」
「嘘言ったら駄目だよ。きっつきつの……が、言われるときゅうって締まるじゃないか」
またも淫猥な言葉を囁かれると、美弥は反応してしまった。
「ほらね」
くすくす笑いながら、龍之介はぐっと腰を動かして美弥の中を深く抉る。
「んああぁああああ!!」
四肢をばたつかせ、美弥は龍之介をきつく締め上げた。
「ほら。お腹の中で……が暴れると、……を欲しがって……がひくひく締め付けて来るじゃないか」
「んぁ……はぁ……」
卑猥な言葉を三つも囁かれ、美弥は体をよじる。
――何故に龍之介は寝起きのぼうっとしている時間に襲いかかって来ては卑猥な言葉を囁きつつSEXに励むのか、美弥にはさっぱり分からない。
だが、そんな時のいつもと違う乱暴な行為も気持ちがいい事は否めなかった。
「あぁっ、あっ、あはあっ!んゃ、りゅ、うぅ!」
そうこうしているうちに、美弥は限界が近付いて来る。
「ああ、イきそう?」
熱く甘い囁きが切羽詰まって来たのを聞き、龍之介は体位を正常位に変えた。
最後はやはり安定感のあるこの体勢の方が落ち着くようだし、龍之介としても美弥の喘ぐ顔を見るのは満足感を得られる。
美弥を鳴かせたい一心が凝り固まって理性がキレるので、獣化バージョン龍之介は変な所で優しい。
「はぁ……っ!」
ぐちっと奥まで突き込むと、美弥は大きく背をのけ反らせた。
「んっ、あ、りゅ、う……んん!」
龍之介は美弥の唇をキスで塞ぎながら、子宮を突き破らんばかりに激しく腰を振る。
「んぅ、む、んむぅふうううぅ!!」
限界を突破したのか、蜜壺が肉棒を猛烈に絞り上げた。
一際強く美弥を突いてから、龍之介ははち切れそうな自身を引き抜く。
幾度か怒張を扱くと、物凄い勢いで飛び出した白い液体が上気した肌の上へ降り注いだ。
「ふ……」
美弥はのろのろとした動作で、鎖骨の辺りにまで飛んで来た精液に触れる。
「あ……」
指に乗った白濁液を、美弥はぺろりと舐めた。
「ん……」
「………………うあ。」
蛋白質の塊を舌で弄んでいると、龍之介が正気に返る。
「だから何でこう……」
ぶちぶち言いながら落ち込んでいる龍之介を見て、美弥は失笑した。
終わった後で理性を取り戻し、心底落ち込む龍之介を見るのがちょっぴり面白いのは秘密である。
美弥は弄んでいた精液を飲み込み、ゆっくりと体を起こした。
落ち込み続けている龍之介に、美弥は抱き着く。
「あぁ……いつも、ごめん……」
落ち込んだ口調ながらも、龍之介は抱き着いた美弥に応えて華奢な体に腕を回した。
「……ねぇ」
龍之介にぴったり引っ付きながら、美弥は尋ねる。
「どうして理性がプッツンするの?」
「んぁ?」
龍之介は、不思議そうな声を出した。
「ほら、一緒に寝てるとたいていプッツンして襲われるから……私、何かしてるのかなぁって」
起きてからきちんと目が覚めるまでの記憶がない美弥としては、あやふやな口調で尋ねるしかない。
「……してる」
仏頂面で、龍之介は呟く。
「起こすと起きたくないからってくっつく抱き着く甘える……」
初めて聞かされる寝起きの自分の行動に、美弥は目を剥いた。
「凄い時にはこんな事までしてくれる」
龍之介は何かを揉むように、両の手をもにもにさせる。
ちょうど龍之介の手には少し余るくらいの柔らかい物体を確かめるような、その動き。
「…………あ。」
美弥は真っ赤になり、思わず胸元に視線を落とした。
龍之介から巧みに愛撫されると、敏感に反応してしまうそこに。
「わ、私……そんな事してたの……」
そりゃ確かに理性もキレると、美弥は猛省した。
だが……意識がない時の行動にまで、普通責任は持てないだろう。
「じゃあ、別々に寝れば……」
龍之介は肩をすくめた。
「キレないだろうね」
美弥は思わず龍之介を見る。
「……別々に寝たい?」
龍之介は苦笑すると、美弥を抱き寄せた。
「寝たくないから困りものだね」