笹沢瀬里奈の悩み 〜Love trouble〜-14
「それじゃあ、頑張れ。あ……それとしばらくは、電話かけるなよ」
龍之介は携帯を電源まで切ってから、隣で様子を窺っている美弥を急に抱き寄せた。
「あん……」
いささか乱暴な扱いに、美弥は抗議らしき声を上げる。
らしきと表現したのは他でもなく、これから過ごす濃密な時間への期待で美弥の声は既に十分甘くなっていたからだ。
「ん……」
ちゅっ……
いささか乱暴だった扱いを謝るようにキスを落とした龍之介は、舌先で美弥の唇をつつく。
美弥がおとなしく口を開くと、龍之介はすぐさま舌を滑り込ませて来た。
「ん、ふ……」
美弥は喉を鳴らし、自分から舌を絡ませる。
龍之介は美弥の後頭部に手をやって引き寄せ、呼吸困難に陥る程濃厚なキスを交わした。
たっぷり舌を絡めつつ、龍之介は美弥の髪を手で梳く。
閉じられた美弥の瞼が、気持ちよさ気にふるふると揺れていた。
「んぅ……?」
龍之介がねっとりしたキスを続けながら胸に触れて来たため、美弥は妙な声を出してしまう。
二人共その気という事で、美弥はブラジャーをしていない。
ボリュームがあって柔らかいのにつんと上を向いているという、何だか相反する要素を両立させている二つの膨らみ。
これは龍之介の全く個人的な見解だが、C〜Dカップと言っていたサイズがDカップに近付いたような気がしないでもない。
「マシュマロみたい」
龍之介は美弥の耳元にそう囁いてから、首筋にキスを落とした。
寝間着の上から乳房を揉み込んで、ふっくらふわっともっちりむにむにした感触を楽しむ。
「ん……」
すぐに硬くしこってしまう乳首が、シャツの下からはっきりと存在を主張し始めた。
龍之介は首を愛撫しながら指の間に乳首を挟み、くにくにと刺激する。
「あ……」
下半身にじわっという感触が広がった気がして、美弥は声を出した。
その声に、龍之介がくすくす笑う。
「……笑わないでよぉ」
美弥が拗ねて唇を尖らせると、目を細めた龍之介は美弥を抱き締めてベッドへ押し倒した。
「愛撫に反応してくれてるんだもの。嬉しいから、笑っちゃうねえ」
「ん……!」
龍之介はそう言いながら乳房を揉んでいるため、美弥としてはなまめかしい声で恋人を悦ばせる事しかできない。
「あっ……んん……!」
甘く鼻にかかった声が聞こえると、龍之介は揉みしだく手を少し強める。
「んっ……」
ひくっ、と美弥の肩が震えた。
「ああ、痛い?」
やや慌てた口調で、龍之介は問う。
美弥の感じやす過ぎる体には、少しの力加減ミスが命取りだ。
力加減を間違え、痛がらせてムードも炙り出した官能も吹っ飛ばして台なしにしてはいけない。
「ん……」
だが美弥は、色っぽく潤んだ瞳で龍之介を見上げるばかりである。
「あ……」
痛いのではないと理解した龍之介は、思わず微笑んだ。
シャツの上から胸に顔を埋め、すっかりしこった乳首を口に含む。
「っ……!」
相変わらず手で乳房を揉みながらの愛撫に、美弥はくっと背をのけ反らせた。
シャツの生地ごと乳首を舐められ、直に愛撫して欲しい美弥はもどかしくて声を出す。
「ん〜……!」
「ん?」
ぺろっ
「……!」
乳首を舐めていた舌が、急に首を舐めて来た。
「っ……あ……!」
直に触れる愛撫と布一枚を隔てる愛撫とではこうも違うかと体で感じると、美弥は龍之介へ抱き着く。
「ね……」
甘えた声で囁くと、龍之介は愛撫を止めた。
「ん?」
はくっ
「あぁっ……!」
唇で耳たぶを挟んで舐めると、美弥は龍之介の体へ爪を立てる。
「ふ……服の上から……は……や……」
耳たぶをしゃぶられている音を聞いて秘所が潤んで来るのを感じながら、美弥は囁いた。