セックスライフ-9
「ほら、よそ見しない!」
チラチラと彩へ視線をくれていた男優らに、講師が厳しい口調で叱咤する。
無理もない。売れっ子の女優が、撮影とはまったく無関係な場所で全裸を披露しているのだ。この状況に興奮しない男など存在しないだろう。
「それでは、今の教えをしっかりと守って実践してみてください」
男優らの元を離れ、ゆっくりと彩のほうに向かってくる講師。
「お待たせしました。それじゃ、さっそく始めましょうか」
講師の言葉に、真剣な眼差しで頷く彩。
講師は、彩に四つん這いのポーズを指示してから浣腸器を手にした。
「いいですか、まずは100ml入れます。苦しかったら言ってください」
開脚され、ツンと突き上げられた尻の前でしゃがみ込む講師。
指にたっぷりとワセリンをつけ、それを彩の窄まったアヌスに塗りこんでいく。
彩の身体がピクッと震えた。
「彩さんの肛門、すごく敏感ですね」
ワセリンを塗りつけている指が、そこの皺を一本一本丁寧に伸ばし広げるような動きでマッサージしている。
別に秘部を弄られているわけではない。なのに、彩の肉体は痺悦を感じ取っていた。
「彩さん、まだ断言は出来ないが、お尻のほうもかなり素質ありそうですよ」
指先をヌポッ、ヌポッ、とアヌスの中へ差し入れながら講師が吐いた。
講師の指の動きに合わせ、微かにヒップが揺れている。
「ふむ、十分緩んできたな。それでは入れていきます」
冷たいガラス管のノズルが、アヌスにギュッと差し込まれてきた。
彩は咄嗟に瞳を伏せ、下唇を噛んだ。
チュル、チュルル―――
ヒップから流れ込んでくる液体に、ズンと重くなっていく下腹部。
下から内臓を押し上げられるような圧迫感に、おのずと唇が開いていく。
「どうです? 全部入りましたが……苦しいですか?」
「いえ、まだ大丈夫です」
彩の表情を観察しながら、講師は一気に倍の200mlを浣腸器に吸い込んだ。
それを、再び彩のヒップへチュルチュルと流し込んでいく。
「あっ……ううっ……」
半開きの唇が、わずかに震えた。
「いま300入ってます。どうしますか?」
「も、もう少し入れてみてください」
彩の素質を確信した講師は、今度は300mlものぬるま湯を浣腸器に吸い込ませた。
ノズルを一気にアヌスへ沈め、彩の表情をしっかりと見ながら少しずつ注入していく。
「んっ……くう……きつい……」
下腹部がキリキリと痛み出し、うっすらと脂汗を浮かべていく彩。
実践練習を行っていた男優らも、この彩の様子をジッと伺っていた。
「あと少しで全部入ります。頑張ってください。これが入ってしまったら全部で600です」
600あれば先ほど見た噴射を少しだけ上回ることができる。
彩は、猛烈な痛みと便意を持ち前の気丈さで踏ん張った。
「ほう、全部飲み干した……すごいですよ、彩さん」
「んくっ……ダメ……苦しい……で、出ちゃう……」
何か得体の知れぬ物が、下腹部の中で激しく暴れまくる。
赤いルージュをひいた華麗な唇は悲痛にわななき、その口からは熱く濃厚な吐息が漏れていく。
「彩さん、みんながあなたの事を見ていますよ。さあ、あなたの汚い物を、みんなの前でおもいっきり吐き出してください」
彩は、苦悶の表情でうっすらと眼を開けた。
だが、まわりを見る余裕もなく再び眼を閉じた。
そして、震える唇からくぐもった声が漏れた瞬間、我慢の限界を超えたアヌスが一気に口を開いた。