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秘密屋
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秘密屋-7

 翌日、桐島は私の家で唐揚げを作った。しかし、その唐揚げを私が食べることはなかった。何故かって……だって、私自身が唐揚げにされてしまったのだから。

「私が好きなのは薬指なンですよ。ええ。一番綺麗な形をしていますでしょう。後は全て始末してしまうンです。だって、醜い物は見ているだけで腹立たしいですから。抹消しないとね。今度は、残さずに、ちゃんと、そう、きちんと爪を剥がさなくては駄目ですね。本当に、異物混入事件になってしまいますからね。 爪も何か料理に出来ないものかな……。誰か考案して下さいよ? そうしたら私の唐揚げ、ただで食べてもいいですから。ぐへへ。」

 桐島は恍惚とした表情で私の切り離された薬指を見ながら、そんな独り言を言っていた。


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