還らざる日々U-10
体を入れ替え、後から責め立てる。
聡美は枕に顔をうずめ、腕を布団からはみ出させて床に伸ばしていた。
彼女の細く弾力のある腰を抱え込み、一生はリズミカルに腰の動きに合わせて突き上げる。
聡美は突き入れられる度に身体をのけぞらせ、堪えきれずに声を発した。
一生は肉壁を、先ほどより激しく突き続ける。
それはまるで、聡美の北海道行きを〈行くな!行くな!〉と止めているようだった。
2度目を彼女の背中に放出した一生。自らの熱で、こめかみから汗が流れる。
「…ちょっとシャワーでも浴びるか…」
シャワーを浴びながら、聡美は手に塗った泡で一生のモノを洗っていた。
「…一生の…また…」
若さのため、その行為に反応して硬くなる。
「じゃあ、次はオレが…」
洗った聡美の身体に、一生の舌が這い回る。
首筋から乳房、腹、そけい部。彼女の身体を味わい、徐々に中心へと向かう。
聡美は頬どころか、胸元まで肌を上気させ、時折、声を漏らす。
一生の舌が聡美の秘部を捉えた。
彼女の膣内が、自分の行為に反応して熱くなるのを彼は舌で感じた。
2人共しびれるような感覚のまま、3度目の〈欲求〉を確め合うように、その場で求め合った。
3度目を終えた時、時刻は深夜3時を少し回っていた。
2人はシャワーで汗を流すと、裸のまま布団で眠りについた。
互いの身体を絡め合うようにして。
───
「クシュン!さっむ〜、何時や今?」
尚美は寝ぼけ眼で時計を見た。時計は9時半を示している。
「…アイタタタッ、アッタマ痛い!夕べ呑み過ぎたんやな…」
彼女は乱れた毛布にくるまると、昨日の出来事を頭の中で反芻していた。
しかし、あるところから記憶がない自分に驚いていた。
(昨日は仲間と食事に出掛けて、そこで、グラス3杯飲んで…それから…?)
その先がどうしても思い出せない。気がついたら下着姿でベッドにいたのだ。
あの後、何があったのか、どうやって帰ったのかさえキレイに〈空白〉になっていた。
尚美は寒さでこわばる身体でベッドから這い出ると、部屋着を身につける。
「しゃあない。レイちゃんに聞いてみよ…」
彼女は昨夜の出来事を確かめるべく、同期の澪子に電話を入れた。