アイドルヲタですけど何か?-7
「それに、チサさんは1人なんかじゃない」
「私がいるもの。私が、チサさんの友達だもの」
「優里さん…」
「だから、これ以上彼女のことを悪く言うのは私が許さないから。あと、私を脅そうとしていたかもしれないけど、言いたければ言えばいい。私は負けないから。この気持ちは変わらないから」
私はそう言って教材室を後にする。振り返りはしなかった。理解してもらえるはずはないだろうから。
でも、きっと長嶋は私の秘密を誰にも言わないだろう。
そんな気がした。
『今日はごめんなさい。まさか弟がユリアさんと同じ学校だったなんて…(泣)』
その晩、チサさんからメールが来た。
私は昼間の自分を思い出して、笑った。
私、あの時チサさんに自分を重ねていた。
メールを打ち、返信する。
『いいんです、おかげで大切なことも分かりました。あと、チサさん、』
『今度2人で買い物でも行きませんか?次のライブに備えて』
私達、友達ですから。
いつか、近いうち、真樹に私の秘密を打ち明けよう。彼女なら驚いたとしても理解しようとしてくれるだろう。彼女もまた、漫画のキャラクターに恋をしているから。
好きなものは好き。
この気持ちは、止められない。
とりあえず、初めの一歩として明日は真樹にCREATORの曲を聞かせてあげよう。