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7番目の月〜Ruby〜
【幼馴染 官能小説】

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7番目の月〜Ruby〜A-1

広人とあんな事があって二週間経つが、広人からは何の連絡もない…



会社帰りの駅から自宅への道を一人でぽつぽつ歩く

彰に誘われるけど会っていない

それは広人が付けた跡が体に残っている事だけが理由ではない

広人が教えてくれたモノは、彰への思いを冷ませてしまった

でもそれを彰に上手く話せない…
優しい彰を傷付けたくも無い

全て私が悪いのに…

重苦しいのに空洞で惑って揺れている心…
私はどうすれば良いんだろう…




「千華…」

人気のまばらな歩道に差し掛かると不意に声をかけられた

…広人…?

ごつい体の影が街灯に照らされて、今一番会いたかったその顔が浮かび上がった

「早いな…平日はデート…しないのか」

無神経な問いに一瞬熱くなった気持ちが萎む

「…デートできるわけないじゃない」

冷たく言い放った私に俯く広人の顔は、心なしかやつれてしまった様に見える

「千華に…言っておかなくちゃならない事があって」

「……何?…」

「…うん…」

「…言って…」

聞きたい…でも恐い…


「……あっ、てかさ…跡…そんなに残ってる?」

「…えっ?」

「見せて」

「はっ?」

広人は周りに人がいないのを確認すると、私の腕を掴んで歩道沿いの生け垣の間へ入って行く

「広人っ!…」

生け垣の向こうは、ずっと人が住んでいない大きな家の敷地

昔ここは私達子どもの秘密基地だった…

十数年ぶりに足を踏み入れたそこは、記憶よりもこじんまりしてて、空までそびえる屋根や広大に思えた庭の印象は消え、自分が大人になってしまった事を一瞬にして知らしめている


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