ヒメゴト〜a scond time〜-6
麻衣子は瞬間で目を開き、陽介を見つめ、
首を大きく横に振った。
ふふ、っと軽く笑った陽介は、
そのままストッキングに手をかける。
あまり扱った事がないせいか、
太股のあたりでピー、と線が入ってしまった。
悪いと思いながらその線をなぞると、
麻衣子の足がぴくぴく動いた。
「破ってもいい?」
瞳をキラキラさせて問いかける陽介に、
麻衣子は戸惑ったが、
「………はい」
と答えた。
なぞっていた手を止め、
両手で豪快に太股あたりの布を引き裂く。
ビリビリと音を立て、
ストッキングは歪な姿になり、
微かに下着を隠している程度だ。
パックリ開いた箇所からは麻衣子の白い肌が見え、
またもゾクゾク、とした感覚が陽介を襲う。
反対の足も強引に引っ張ると、
更に歪に破けていく。
所々薄布が麻衣子の太股を締め付け、
何ともいやらしい光景に姿を変えた。
まじまじと麻衣子の姿を見ると、
陽介は不意に耳鳴りがし、フラッシュバックに襲われた。
『よーすけぇ…好きぃ…』
羞恥で顔を赤らめているのは麻衣子だが、
声は別人の物が聞こえる。
『もっと…もっとしてぇ……、ねぇ…よーすけぇ』
甘ったるい、
耳に障るが憎めない声…。
『よーすけ…気持ちいいよぅ…』
陽介は瞳を見開き、
麻衣子を見下ろしたまま、
「………優衣…」
と小さく呟いた。
ガバッ、と麻衣子は起き上がり、
陽介を覗き込む。
目を虚ろにし、
見たこともない様子の陽介が居た…。