A PIECE-1
旅人。
赤トンボ。
道路標識。
夢。
パズルな人生。
恋。
旅立ち。
幾つかの出逢いや別れの中に自分を見つけた気でいました。
傷つけず生きることはできるでしょうか?
傷つかず生きることはできるでしょうか?
そして
眠りから覚めてぼくは気が付いた。
世の中で自分もパズルのヒトカケラであることを。
家族。
ガッコー。
友達。
全てが、そうすべてが一つ一つのカケラから成り立っていることに。
もしもぼくがいなくなったら誰か泣いてくれるだろうか?
誰かがその消失感を感じてくれるんだろうか?
今まではずっとずっと自分を満たすためにだけ、
旅をしてきました。
ぼくが満たされるためだけの旅路。
身勝手な別れ。
違和感。
何も満たしてくれません。
ひょっとしたらこの身体の満たされない部分を埋めるの事はできないのかもしれない。
誰かが満たしてあげることなど考えもしなかったあの頃。
また旅の途中でカケラに出会いました。
美しくて
透明感があって
まるで
そよ風みたいな。
気持ちいい人でした。
最初はそばにいるだけで幸せだったのに。
そのうち誰にも奪われたくないって思うようになりました。
あの子はぼくのモノじゃないのに。
あの子は誰のモノでもないのに。
欲しくて欲しくて奪われたくなくて失いたくなくて、だんだんとぼくは狭くて小さくて臆病なモノになっていくのを感じました。