やっぱすっきゃねん!UH-14
〇〇神社。正月も3日となると、さすがに誰も訪れないのか、境内は閑散としている。
永井は部員達を参拝場に整列させると、内ポケットからひとつの封筒を賽銭箱に入れた。
「今から、オレの真似をしろよ」
彼は子供達にそう言うと縄を引いて鈴を鳴らし、手を2回叩いてから頭を2回下げる。
「私達!青葉中学、野球部の今年の目標は…」
部員達は永井を真似て声を上げ、次の言葉を待った。
「…今年の目標は、全国制覇です!」
「エエッ!ぜんこく…」
どよめく部員達。
「…どうした!?願い事は最後まで言わんか!」
永井の一喝に静まると、彼らは緊張した面持ちで願い事を繰り返す。
その様に、一哉は笑顔を向けた。
この日、野球部は初めてチームとしての目標を掲げた。
…「やっぱすっきゃねん!?」?完…