82人の距離〜思い出に残る学園祭-5
「いや・・・・何も知らないよ、本当に・・・・・・・
でもさ・・・・・ちゃんと頑張らなきゃいけないよ。
じゃないと晴美ちゃんに怒られるからね。」
那美も晴美と同じほうに走っていった。
「・・・・・・・・・・・どうも怪しいんだよな」
刹那は考えるのをやめ、選手集合場所に走っていった。
この学校の校庭は一周300mで刹那は5周することになる。
「位置について〜〜〜よいお〜〜〜いどん!!!!」
銃声と同時に一斉に走りだす。
出だしでいいポジションを取り現在3位
「刹那!!!ナイススタート!!」
刹那は那美の声に反応することもなく一定のペースで走り続ける。
刹那は順調に走りながら2位をぐんぐんと追いついていく。
「刹那くんがんばって!!もう少しだよ」
聞こえたのかはわからないが晴美の声援が聞こえた瞬間に
刹那の走る速度が加速する。
そして残り2週で2位の先輩を抜き去る。
「刹那後2周だよ!頑張って!!」
「刹那くん!!後少しだよ!!頑張って!!」
生徒全員の掛け声が聞こえる
「わかってるって・・・・・・でもアイツはえ〜んだよ!!」
刹那は舌打ちをしすると再び歯を食いしばり、自分にムチを打ち、更に速度をあげる。