82人の距離〜思い出に残る学園祭-4
「ちょっと待ってよ!!」
那美は刹那たちを後ろから必死に追いかけていった。
「刹那くん頑張ってね・・・・・」
晴美は手を胸の前で合わせて刹那を見つめる。
「別に死ぬような事しに行くんじゃないんだから・・・・・」
「まあそれだけ1500mが大事って事だよ」
現在刹那たちのクラスは3位
1、2とも先輩たちに取られているが大差はなく1500mの結果によっては1位になることが出来る状況だ。
「まあ、ぼちぼちのタイムで帰ってくるよ・・・・・」
「刹那くん・・・・・」
晴美が肩をがっちりと掴む。
「はい・・・・・・・・」
刹那が晴美の表情を見つめて体が反り返る。
「冗談を言っている場合じゃないんだよ!!」
「な・・・・なんで晴美そんなに必死なの・・・・・」
「へっ?いやっ、なっ、なんでもないよ・・・・・」
晴美が苦笑いを浮かべながら刹那の前から逃げていった。
「お前何か知ってる?」
刹那は体を那美のほうに顔を見る。