フリースタイル4-3
「ヒカルの歌って、失恋ソング多いと思わねえ?」
いつの間にかkyouzがあたしの隣に立っていた。
持っていたウーロンハイをあたしに渡す。
まだ半分以上も残ってるじゃん。
「暗い男だよねぇ」
その隣からスネークが言った。
てか、その発言!
スネークとヒカルの不仲説の事を考えるとコメントしづらいからやめてくれ!
まぁ、確かに暗い歌だけど…でもあたしは結構好きなんだけどな。
『聞いてくれてありがとうな。次の曲はめっちゃ可愛い女の子と歌うからみんなチェキやで!俺もつい最近知り合ったばかりなんやけどな。』
ヒカルは2曲歌い終わると笑いながら言った。
まさか…
あたしの頭に1人の女の子が思い浮かぶ。
『準備ができたみたいやから登場してもらおか。SINGERミカー!come on!!』
やっぱり…
あたしの思い浮かんだ通りの女の子が早足でステージに出てきた。
フィーチャリングするとは聞いてたけど、今日の事だったのか。
軽くサプライズだわ。
「実香ぁー!」
あたしは実香の名前を叫んだ。
きっと緊張してるんだろうけど、とりあえず頑張って。
いきなりステージに上がってる実香を見て驚いたあたしだけど、曲のタイトルを聞いてもっとびっくりした。
『…聞いて下さい。星に願いを』
この歌かよっ!
この歌を聞いてあたしが思い浮かぶのはkyouzだ。
「星に願いをはまじで名曲だよ」
kyouzの名言だ。いや、もはや口癖だ。
隣にいるkyouzをちらっと見たら首を縦にふってリズムにのっている。
実香はkyouzの好きな歌って知っててこの曲にしたんだろうか。
いや、この曲決めたのはヒカルだろうしそれはないか。