フリースタイル4-2
「元気?」
あたしは隣に座りながら言った。
「……微妙」
スネークはあたしの事を見て何秒か経った後に言った。
「何それ」
謝るつもりがまた余計な事を言ってしまう。
これじゃ全然ダメじゃない。
「こないだはごめんね」
反対にスネークが謝る。
なんで?
悪いのはあたしじゃない。
「別にいいよ」
こんな事しか言えない自分がつくづく嫌になるわ。
「ありがとう。じゃあ仲直りね」
スネークが笑顔で言う。
こいつの方があたしの何倍も素直だ。
………少しそれが悔しい。
「………あたしが悪いから。あたしの方こそごめん」
スネークの腕をひいて言う。
これが今のあたしの精一杯。
「珍しいね。沙織が謝るなんて」
スネークは目を丸くさせている。
冗談とかじゃなく、本気で驚いているようだ。
「どういう意味よっ」
あたしはスネークの頭をパシッと叩いてやった。
ふと、音が止まった。
どうやらショウケースが始まるようだ。
あたしはソファーから立って、壁に貼られているタイムテーブルを見た。
どうやら1番手はヒカルらしい。
MCの人がヒカルを紹介すると、テンション高くステージに出てきた。