冷たい情愛Die Sekunde 最終話-6
「義理の娘が、紘子さんみたいな女の子だったら…私は絶対に止めてたわね、あの時」
「結婚をですか?」
「ええ。神崎さん、あの時…あの子に愛情なんて持っていなかったもの」
やはりそうだったのか…。
遠藤くんが言っていた通りだったのか。
『先生が義姉を愛することなんて無かったのかもしれない。死ぬまで…』
彼の言葉は、その通りだったのだろうか。
「生徒だった貴方に、こんな俗っぽい話をするのもどうかと思うけど…」
彼女は一端、言葉を止めて考えこんだ。
「他にね、女性がいたらしいの…」
彼女も、知っていたのだ。
私の存在を。
私の知らないところで、たくさんの人たちが抱えていたもの。
それを思うと、私は苦しくて仕方がなかった。
私は全部吐き出してしまいたかった。
それは私ですと…ごめんなさいと。