冷たい情愛Die Sekunde 最終話-15
出逢ってから…
最初に体を重ね…次に想いを伝え…
隠す心に苦しみ…愛する自信を無くし…
そんな流れの中で、真実へと変わっていった私たちの笑顔。
私も、彼に笑顔を向ける。
きっと、今日が特別な日だからではなく…
今まで重ねてきた結果であり…
これからの未来を信じる…
そんな、繋がっている時間が私に与えてくれる…
大好きな人の、その…笑顔。
「ねえ、紘子」
彼が私に話しかけてくる。
「なに?」
「今更だけどさ」
「ん?」
「俺さ、紘子のこと、すごく好きなんだよね」
「披露宴だっていうのに、何言ってるのよ」
彼は、悪戯っ子のような笑顔で私に言った。
「我慢できない」
「え?トイレ?」
真っ最中に新郎が席を立つわけにはいかないだろう。
「ウエディングドレス…可愛いよ」
「だから何!?」
小声で私は必死に答える。