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赤い靴
【青春 恋愛小説】

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『今』という希望-1

夢を見た。



とても怖い夢。





私は夢の中の自分を後ろから見ている。話しかけても返事はない。

学校へ行ってもカナちゃんはどこにもいない。けれど、まるで初めからいなかったかのように、彼女も他の人も気にしていない。

職員室に行くがナオもいなくて、ナオの机すらそこには無かった。けれど、彼女はそれが当たり前かのように職員室を出た。

夢の中の私は誰とも会話せずに、1人で過ごし、1人で家に帰る。

家に帰っても、いつものように母は仕事でいなくて、彼女はご飯を食べた後自分の部屋にいく。

そして、彼女は何か手紙を書いていた。
後ろからじゃ何を書いているのかよく見えない。

彼女が席を立った。
私はその隙に手紙を覗き込む。

そこには──





そこで目が覚めた。何故か私は泣いていた。
涙を手の甲で拭って体を起こす。



もう、これで3回目だ。



私がこの夢を見たのは。

初めてこの夢を見たのが先週で、一昨日また見た。



いずれもだいたい同じ内容で、手紙の内容を見ようとすると目が覚める。

きっと私はその手紙を読んだから泣いているんだと思う。直感的に。



何となく目覚めの悪い朝だが仕方無い。

私は気を取り直して出掛ける支度を始めた。



今日はナオの家に行くのだ。


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