『今』という希望-5
ナオは私のそばにいる。いつだって私を支えてくれる。
だから、私もナオを支える。
私が怖い夢を見たとき、ナオは私を暗闇から出してくれた。
夢の中の私は孤独だったけど、現実の私にはナオがいる。
だから、ナオが怖い夢を見たら、私がナオを光へと導く。
両親がいなくなってしまった心の傷は、私が埋めてあげる。
私はナオがいないと生きていけなくなったのかもしれない。
でも、それでも、そうやって、2人で生きていきたいよ。ナオ。
「ナオー、お腹空いたー。ご飯食べたいー」
「……」
「ナオー、いい加減起きてよー。もうすぐ2時だよー。勉強会どうすんのさー」
とりあえず今は、早く眠りから覚めてこの腕を離して、私を飢えから救って欲しい。