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Blackmail
【その他 官能小説】

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Black mailU-13

───


 どれほどの時間が経ったのだろうか。 岡野は目を覚ました。
 デッキに寝かされてるようで、潮の香りのする風が頬に当たり、波打つ音がわずかに聞こえる。

「ど、何処だ?ここは…」

 身を起こそうとする岡野は、全身に巻かれた鎖による重みで動く事が出来なかった。

「気がついたの?」

 そばに近寄る恭香。 岡野は顔を引きつらせるが、何かが彼の頭に当たった。

「久しぶりだなぁ 岡野」

 男の声に反応して首だけを後に向けた。

「誰なんだ!オマエ」

 男はしゃがみ込んで岡野の顔を覗き込んだ。

「まさか元同僚だったオレを忘れちまったわけじゃないだろうな?もっとも、オマエのおかげでプログレス・コンサルティング社はクビになっちまったがな…」

「…まさか…」

 闇で見えないが、岡野の血の気が引いた。 そこには朝霧琢磨がしゃがみ込んでいたからだ。

「オレをどうする気だ!」

「どうするって、オマエは今から死出の旅に出るのさ。ひと 2人の人生をあれほど狂わせたんだ。 当然だろう」

 琢磨はそう言うと後の甲板を開放した。 10センチほど下に水面が見える。

「しかし、アレは飯島さんから命令されたからだ。 オレは何も知らなかったんだ!」

 冷静さを失った岡野は必死に言い訳する。 に対して琢磨の方は笑みを浮かべていた。

「その飯島に進言し、三上恭香のマンションに隠しカメラや盗聴機を仕掛けたのはオマエだ!調べはついてる。 もっとも、その飯島も会社を追われたがな…」

「まさか…あのタイムズの件は…」

 岡野は驚愕の表情で目を見開いた。 琢磨はニヤリと笑い、

「当然だ。ヤラれたままだとでも思ったんじゃないよな。 もっとも、恭香さんのJP・モ〇ガンの力を借りたがね」

 琢磨はそう言うと鎖の先についている大きなイカリを両手で抱えた。

「今度生まれ変わる時は、自分のやった事を悔い改めろよ」

「ま!まてっ!琢磨!」

 イカリが海に放たれしぶきが上がった。 途端に〈シュルルルル〉と、繋がれた鎖が海へと落ちていくためデッキを滑る音が響いた。


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