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「人外の果て」
【近親相姦 官能小説】

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「人外の果て」前編-3

───


夕食、風呂を済ませた亮は、残りわずかな春休みを満喫すべく自室に向かった。 当然、勉強などを勤もうとは考えておらず、ゲームでもするつもりだろうが。

いつものように廊下を渡り自室のドアを開けようとした時、妙な音が耳に聞こえた。

(…なんだ? )

探っていくと音は真後から聞こえていた。 そこは沙織里の部屋だった。

(アイツ、 どうかしたのか? )

 亮は部屋のドアに近寄ると聞耳を立てた。

中から聞こえたのは、沙織里のすすり泣く声だった。

いくら自分で決心したとは言え、初めて親元を離れての生活。
 不安と寂しさが夜になって押し寄せたのだろう。
亮はそっとその場を離れ、音を立てずに自室のドアを潜るとベッドに横たわった。

(沙織里…そんなに辛かったのか… )

亮はふと考えた。

 沙織里のことは、小さい頃から知っている。 毎年、盆と正月に、母親に連れられ遊びに来ている。 亮自身がひとりっ子だという事もあり、沙織里を妹のように可愛がった。
 小学校高学年になってからは、ひとり泊まり掛けで遊びにも来るようになった。 それも1度や2度ではなく。

その沙織里が泣いている。 これからの6年間、親元を離れるという寂しさに耐えかねて。
 それが分かった亮は、慈しさを感じた。 そして、これからの生活で、寂しさを感じをさせぬよう尽してやろうと思った。




───


「沙織里ちゃん。 忘れ物は無い?」

「…はい…」

 初登校日。 制服姿でダイニングに現れた沙織里。 昨日のような喜びあふれる顔は無く、目は少し腫れて不安気な面持ちだ。
 永里子は優しく声を掛けるが、表情に変化は無い。

その時だ。

「…おはよう、母さん…」

ダイニングに亮が現れた。

「どうしたの?こんな早く…」

息子の異様さに驚く永里子。
 休みの間中、昼前にしか起きて来なかったのが、3時間以上早い時刻に起きただけでなく服まで着替えていたのだから。


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