Devil Wing-2
ザッ……ガザガザガザッ…
ヤツがついに僕の目の前に姿を現した。
僕はその姿のあまりの恐ろしさにその場から動けなくなった。
黒い体、細長い足、そして悪魔の象徴たる触角、その全てが僕にとって驚異だった。
ヤツの驚異から脱する方法は逃げるか、戦うしかない。僕は近くに置いていたテニスラケットを手にし、ヤツをめがけて思いっきり叩きつけた。
………………!!!
「外した……」
絶対に当たると信じていた攻撃もむなしく、すんなり交わされてしまった。標的はさらに僕に接近を仕掛け、次の瞬間…
ジィィィィィッ……
悪魔は黒い翼を広げて僕の体めがけて突入してきた。
「ひぃぃぃぃやぁぁぁァァァァッ」
あまりの恐ろしさに悲鳴が出てしまった。
僕はそのショックで気を失った……
次の朝、僕は出張から帰ってきた親に起こされ、なんとか意識を取り戻した。
自分が気絶したこともしばらく気付かなかったが、体を起こし、日常生活をするにつれて、次第に思い出していった。
僕が気絶している間、あの悪魔が僕の体を動き回っていたと想像すると、未だに精神が狂いそうだ。
8月16日
灰色の夏……
僕は悪魔をみた
END
※この物語はフィクションですが、黒い悪魔は実在するので身の回りは清潔に、一家に一本スプレーや防除用具を置くなどの対策を施しておくことをオススメします※