Sunny time-2
「今日、実家寄ってきたんだけど…桜の結婚問題で揉めててさぁ…。」と、彼女は大きな溜め息をついた。
「桜さんの?」
彼女の妹・桜さんは俺のひとつ上だったはずだ。
確か医学部に通う学生だったはずだが…。
「何か問題発生?」
「楓くんが居るのに桜に見合い話が来ててさぁ…。
綾芽に回せって言ったんだけど…。
今、由紀姉もお祖父様も出張中だから…その間に叔父様は纏めたいみたいで…。
残ってるのは下3人だけだしねぇ…。」
「強引に進めるってコトは取引先とか?」
「取引先というか、お得意様ね」
彼女は12人姉弟。内7人が女性だが、春美さんを含めた上の4人は結婚している。
「大変そうだねぇ。」
「一人っ子の貴方は私との結婚で揉めなかった?」
新聞を広げ、言う彼女に俺は
「いや、むしろ喜ばれたよ?」
と、返してやると彼女はフッと微笑んだ。
「…まぁ、光栄ですこと」
と、言いながら俺の首に手を回し、
「夕飯作って?」
と、俺の目を見て微笑んだ。
しかし、その瞳は笑っていない…。
「はい。直ぐに…」
俺はそう答えてソファーから立ち上がった。
今日の彼女はやはりご機嫌斜めらしい・・。
俺と彼女の年の差はたかが4歳…。
しかし大きい…。
俺が彼女を追い抜かすことは出来ないかもしれない。
でも、並んで支えたいとは思うから…。
少しは頼って欲しいな・・・。
end