『カレイドスコープ』-1
「君って、カレイドスコープみたいだね」
「カレ…なぁに、ソレ?」
隣に座る君が、天を見上げた僕の目を覗き込んで不思議そうに聞く。
僕は我ながら、唐突に変なことを言う癖があるんだと思う。
この時も、言った後に後悔した。
「知らない?日本語で言うと、万華鏡」
「なぁんだ、万華鏡かぁ!」
さっきまでのはてなマークを頭に沢山ひっつけた顔が、瞬時にぱっと明るく華が咲いたような表情に変わる。
「そうかぁ、私、万華鏡みたいなのかぁ。綺麗だよね、あれ。くるくる、色んな模様に変わって」
途端に今度は、うっとりとした顔に早変わり。
本当に君は、その万華鏡みたいだ。
「何?」
「いや、好きだなぁと思って」
「なっ…………!」
「はは、真っ赤っか。それ、一番好きかな」
「………っ!変な奴っ!!」
そう言って抱き着く、
君は僕のカレイドスコープ。
くるりと返せば、
鮮やかな笑顔になる。