ヒメゴト〜face each other〜-5
誰も居ない会議室の中に、麻衣子が吸いあげるヒワイな音が響き、
陽介は意識をもっていかれそうだった。
そんな事はお構い無しに、麻衣子はぷはっ、と口を離し、
ぬるぬるになった象徴を、上下に激しく擦る。
ぐちゅぬちゅと音を立てながら擦られ、
頭を掴んだ手に力が込められていく。
「ど…うした…?…っは、こんな…」
快感で途切れる陽介の言葉を麻衣子は噛み締め、
更に早く、激しく擦る。
先端からぬるっとした、
透明な液体が分泌されているのを見付けると、
チロチロと舌で掬う。
そのまま奥深くまでくわえ込み、
先程より早く、吸い上げる力も強く、
裏筋に舌を這わせ、
ぐっぷぐっぷ、と音を立てながらむさぼりつく。
「だ…駄目だ……って」
陽介の言葉は無視し、
麻衣子はストロークを止めようとはしなかった。
「…っく、……っ!」
快感に耐えきれなくなってきた陽介は、
無理矢理頭を引き離し、
麻衣子の肩を掴む。
「いきなり何?どうした?こんな…」
麻衣子はうつむいたまま、か細い声で答えた。
「あたしでいっぱい感じて欲しくて…」
……嘘だった。
本当は先程のトイレの会話が引っ掛かり、
どうしようもなく陽介を自分のモノにしたかった。
抱いて貰えるだけで満足だったのに、
独占欲がうまれてきた。
彼氏彼女の様な甘い関係を望んでも、
おそらく陽介は鼻で笑うだろう。
けど麻衣子は陽介が欲しくてたまらなかった。
「それならそう言えば…」
陽介もしゃがみ、
麻衣子の顔を覗く、
…と同時に、
――コンコン
ドアをノックする音。
そして、
「西田さん?ちょっといいですか?」
陽介と麻衣子は顔を見合わせ、
血の気が引いていく瞬間をお互いが確認した。