目には目を 歯には歯を-4
コン、コン
部屋をノックする。すると、ドアの向こうから返事がした。望の声。
「のぞ…み、調子どう…?」
ドアを開けて中に入る。初めて入った望の部屋は殺風景なものだった。
そして、隅にあるベッドに望はいた。熱のせいか、真っ赤な顔してる望は何だか可愛かった。
「望、大丈夫?」
「…何しに来たの」
冷たい反応にちょっとだけ胸がチクってした。
「望が心配で、お見舞いに来たの」
「うん、もう大したことないから…」
むかっ。
「ねぇ、望、怒ってるでしょ」
「別に怒ってなんか…」
「やっぱり昨日のこと?ごめんね望、望が嫌ならあたし諦めるから、だから「そういうことじゃない!!」
あたしはビックリした。
だって望が怒鳴ったとこ、初めて見たから。
望は黙ったまま驚いてるあたしに手招きした。
あたしはベッドの方に近付く。
「そんなんじゃないんだよ。別に怒ってないし、昨日のことで佳菜を嫌いになったわけでもない」
望もしょんぼりしてたから、あたしは望をぎゅっと抱き締めてあげる。
望はそのまま話を続けた。
「俺も、その…、…佳菜が好きだよ。だけど、昨日、佳菜が急にあんなことしてきたからビックリしただけ。こうやって熱出たのも、昨日のことで頭ショートしちゃったからだし…」
あたしはビックリした。