目には目を 歯には歯を-3
「プレゼントはあたしのファーストキス。あたし、望がだぁい好き」
多分、ううん絶対にあたし今顔赤い。
でも望は石になったみたいに固まっちゃって、動いたと思ったら荷物を持って教室から急いで出て行った。
教室には、あたしだけ。
──次の日。
望は学校に来なかった。
先生が言うには熱を出したらしい。
でも、避けられたような気が少しだけして、だから胸がチクリと痛んだ。
望のいない教室は何だかつまんなかった。昨日のこともあって、楽しいはずの学校も、望がいないと色あせて見えた。
そうだ、望に会いに行こう。
迷惑かもしんないけど、でも、あたしは望に会いたい。
あたしは授業中も、そのことしか頭になかった。
学校が終わるとあたしはすぐに教室を出た。
早く会いたい。
望、昨日の返事、聞かせてよ。
ピーンポーン
「こんにちわー」
望の家に着いてインターホンを押す。しばらくすると望のお母さんが出てきた。
「あら、随分可愛い子ねぇ。望の彼女さん?」
「いえ、友達です。…あの、望君、大丈夫ですか?」
「えぇ、平気よ。あの子、ただの知恵熱だから」
「知恵熱って…」
「昨日、走って家に帰って来たと思ったら、急に熱出して寝込んでるのよ。全く、何をそんなに悩んだのかしらね」
そう笑って言ってお母さんは望の部屋へ通してくれた。
望、あたしがキスなんかしたから熱出したの?
あたしの告白、迷惑だった?