目には目を 歯には歯を-2
ねぇ、あたし初めて会った日から望のこと好きになったんだよ?
望にたくさん話し掛けて、仲良くなって、望の1番近くにいる友達になれたけど、それじゃまだ満足できないんだよ?
あたし、1年も待ったんだから、もういいよね?
「望、あのさ、放課後、ちょっと教室に残ってくれる?」
「うん、いいよ。でも何で?」
「それは放課後のお楽しみだよっ」
あたしはそう言って、望にデコピンをお見舞いする。望は「いてっ」って言って額を両手で押さえたから面白かった。
──放課後。
あたしと望しかいない教室。運動場では運動部が叫んでる。
なんか、漫画によくあるシーンみたい。
「で、どうしたの?何かあった?」
「ううん、今日は望にプレゼントあげようと思って」
「ふーん」
「でも、あんまり嫌がんないでね。あたし、一生懸命考えたんだから」
「分かった。でも、佳菜がくれるんだったら何でも嬉しいよ、俺は」
本当?
そう言われると嬉しいや。
「じゃあ、目つぶって手出して」
望は目をつぶる。
心臓がドキドキしてきた。
───チュッ
あたしの唇が、望のそれと重なる。
「…えっ?」
望は唇への刺激に驚いたみたいで、目をぱちくりさせてあたしを見る。
あたしは舌を出して望に言う。