腐肉(その4)-2
今日の昼間も男はあの中学校の傍の公園の駐車場に車を止めた。大学病院から医師会館へ向か
う途中にその中学校はあった。
いつものように煙草を吸うために車から外に出た。目の前の中学校のプールのフェンス越しに
見た中学生の少年たちの水泳の見慣れた風景だった。水のしぶきをあげるプールの中で陽に焼け
た中学生たちの中に混じってその少年はいた。男はいつものようにその少年に引きつけられるよ
うに視線を注いだ。
小麦色に焼けた中学生たちの中でその少年だけは、女の子のような白い肌をし、水泳帽子の中
から濡れた髪を少し肩に垂らしていた。どこまでも初々しく澄んだ白い肌をした胸と薄く盛り上
がった股間…それは可憐な処女の襞のように淡い薄桃色の少年のペ○スの包皮を男に想わせた。
それに今にも壊れそうな白桃のような小さな尻を思わせる臀部が、紺色の透けた水着に覆われ
ていた。男はその少年の尻の臭いを嗅ぎ、その甘い尻穴に舌を無性に入れたい欲情に徐々に駆ら
れていったのだった。
そして何よりもその愛くるしいほど瑞々しい少年の唇が、男の嗜虐の疼きをなぜか執拗に誘っ
ているようだった。あの唇を舐めさずり吸いたい…そして自分の一物をしゃぶらせ、あの少女の
ような小さい唇の中に自分の精液を放出したいという欲望が男の股間を硬くしていくようだった。
男がこれまで感じたことのない魅惑的な肌の色だった。男が犯した女たちの潤んだ肉情に満ち
た肌ではなく、それは遙かに清められた汚れのない脆い肌だったのだ。
夏に向かう太陽の光が少年の体を眩しく照らしていた。
一瞬、湿った風が男の煙草の煙を舞い上がらせた。プールのフェンス越しに男の視線を背に立
っていたその少年の小さな尻の割れ目が、くっきりと濡れた水着に淡い翳りを落としていた。男
はこれまで感じたことのない股間の新鮮な疼きをじわりと感じていた。
あの少年を見かけてから、男は少年に気がつかれないようにふらふらとあとを追うことがあっ
たが、いつもこの小料理屋あたりで見失うことが多かったのだった。
女将はこの少年を自分の甥だと言った…。
ふらりと寄った開店前の小料理屋には女将だけがいた。そして女将は、十数年前に男が通って
いたクラブのホステスだった。
…どうして、ここに…
男の顔を見ると女将は驚いたように喉を噎せながら言った。そして女将は、まるでもう会いた
くない別れた昔の恋人に出会ったかのようにその美しい眉根を深く寄せた。
…まさか、ここの女将だとは思わなかったな…
女将は男から目をそらすように頬をこわばらせていた。女将は男を魅了するようなあの頃の面
影を残したまま、豊満な胸やその白い肌から甘い香水のような匂いを漂わせていた。
落ち着いた色の和服と結い上げた艶やかな黒髪…そして雪肌のうなじがあの頃とは違う熟した
女の色気に包まれていた。
男の忘れていたこの女の記憶が少しずつ甦るようだった。
女将から漂ってくるあの若い頃の女将とは確かに違った雌の濃厚な臭い…そしてどこか男に甘
えるような瞳と肉惑的な唇に、男は誘い込まれるようにあのときの女の生温かい陰部の肉襞を思
い出していた。
…縛って鞭で苛めてほしいと頼んだのは、女将の方だぜ…
ニヤニヤと笑いながら男は女の耳元で囁きながら縄で喰い緊められ、今にもその乳首から乳が
溢れんばかりにはち切れそうになった女の乳房をぐっと強く掴むのだった。湿った絹のような肌
触りをした乳房の弾力のある重さが男の指にまとわりつくようだった。
そして餅のように粘り気のあるねっとりとした乳房を男はゆっくりと揉みしだくのだった。
豊かな情感のある乳肉は縄で搾りあげるほどにその肉感を増す。男のざらりとした指がその乳
肌に絡まり、微妙に指圧しながら淫猥に乳房を持ち上げるように揉みしだくのだった。男のその
短く太い指が、女の乳房に喰い込み厭らしく蠢くのだった。