秋と春か夏か冬〜番外編00話『始まり』〜-5
「それでね…いつか『さいかい』したら…僕を…きょうすけくんの……お嫁さんにしてくれる?」
「お嫁さん?…結婚するってこと?」
「うん♪そうしたら、ずっといっしょにいられるもん♪」
「…わかった!それもやくそくだ♪」
「やったぁ♪♪ぜったいにぜったいだよ、きょうすけくん!」
「あぁ♪男に二言はない!」
「……???」
「えっと、嘘つかないってこと……かな?」
「うん!うそついちゃだめ♪けっこん…嬉しいなぁ♪」
僕が喜んでいると…
「そうだ!女優のなつきには…コレをあげる」
きょうすけくんは銀色の綺麗なネックレスを自分の首から外した。
「ゎぁ〜きれい♪」
「お母さんの『かたみ』ってやつなんだけど……女ものだし…俺よりなつきが持っていたほうが良いよ」
「かたみ?…たいせつなものなんじゃないの?」
「大切だよ。だからなつきが持っててほしい。それに…女優さんはオシャレにしてないとな♪」
「…ありがとう……ぜったいにたいせつにする♪あっ、僕もなんかあげないと…」
「ははは、なにもいらないよ」
「でも……そーだ♪」
僕はきょうすけくんを抱きしめて……
ちゅ♪♪
…キスをした。
きょうすけくんの顔は真っ赤になっていた。
「ななな、なつき!いま…口に…」
「ネックレスのおれいにチューしたんだよ♪♪それに、お嫁さんならとーぜんだよ♪」
「でで、でも!普通、ほっぺとかだろ!」
「ほっぺにしてほしいの?」
「いや、口が良いけど……って!まだ俺たち7才だから!」
「じゃぁ…おとなになったらいっぱいしていい?」
「そりゃぁ良いんだろうけど……だぁー!もう寝よう!朝になったら親たちも見つけやすいし」
きょうすけくんは照れながら言った。