投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

冷たい情愛
【女性向け 官能小説】

冷たい情愛の最初へ 冷たい情愛 193 冷たい情愛 195 冷たい情愛の最後へ

冷たい情愛Die Sekunde-4-19

「それでも、警察じゃないが…証拠が残るような事象ならいい。これだけ科学が発達してりゃ証明できるからな」


「そうじゃないものも、あるってことですか?」


「あるだろうな。一つだけある」


「それは、何ですか?」


「人の心だな」





片山は、あえて私の目を見ずに言っているようだった。




人の心…


過去の…人の心…



私はこの時、はっきりと分かった。

片山が言ったことが意味するところを。




私がそうだったではないか。


母校を訪れたあの日…




私は、知ることのなかった愛した人の 『過去の心』 を知った。

恩師は、愛した人の 『過去の心』 を私に伝えてくれた。


「今のお前が幸せそうなら、言うつもりは無かった」 そう恩師は言っていた。



何も知らないふりをすれば出来たかもしれない。

でも敢えて話してくれたのは…


それが、私の悲しみを解放する方法だと分かっていたからかもしれない。





遠藤くんだって同じなのだ。


先生とお義姉さん…



『先生が義姉を愛することなんて無かったのかもしれない。死ぬまで…』




彼はそう言った。

今となっては…二人の心は分かりようもない。


冷たい情愛の最初へ 冷たい情愛 193 冷たい情愛 195 冷たい情愛の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前