冷たい情愛Die Sekunde-4-17
「片山さんの部下でよかった」
「おい、部下でいるものあと少しだぞ。しっかりしろよ」
「無理…です」
「今更、プロジェクトリーダーは無理です…とか部長に言うなよ」
料理を口にしながら、会話をする。
「片山さん…」
「なんだ?」
「過去って、なんですかね」
「は?昔の事のことだろ」 と、呆れたように片山は答えた。
「そういう意味じゃないですよ」 私は少しイラついて、そう口にした。
「過去が、怖いんですよ」
私は続けてそう言った。
「人間は、何故…恐怖を感じるか知ってるか?」
片山は突然質問してきた。
「えっと…分かりません…」
考えたが、全く私には答えが出せない質問だった。
「それだよ、それ」
「え?」
「今、お前が言ったことだよ」
「えっと…?」
「分からないからだよ」
「どういう事ですか?」
私は、小学生の頃を思い出した。
ナゾナゾを出されて、全く分からないあの感覚。